オーディオ系記事
オーディオ史に残る銘スピーカー JBL4343
今回は、「我が国の」オーディオ史に残る銘スピーカーを取り上げます。
それは、JBLの4343。
我が国で、オーディオ・ブームの渦中にあって、当時、大変な高額スピーカーであったのにも係わらず、
一説には約20,000セットも売れたというベストセラー・スピーカー。
1・JBL・4343との出会い
筆者は1965(昭和40)年生まれであることから、1970年代のオーディオ・ブームを経験して育ちました。
そうは言っても、筆者がオーディオに意識的になり、オーディオ・ファンになったのは1978(昭和53)年のことです。
筆者が、オーディオ・ファンになったのは、その前年、下記のことによります。
1977(昭和52)年の春に筆者は洋楽ロックを聴くようになり、生まれて初めて自発的に音楽を聴き始めました。
小学6年生のことでした。
それで、小学校が夏休みになって間もない時期、7月下旬のことでした。
筆者は友人宅に遊びに行き、レッド・ツェッペリンの「Rock and Roll」のライブ・バージョンを友人に聴かされ、
強い衝撃を覚え、レッド・ツェッペリンの大ファンになりました。
筆者がそれまで好んで聴いていたビートルズ、キッス、クイーン等々は歌モノ・ロックだったのですが、
レッド・ツェッペリンは極めて器楽性の強いロック・バンドでした。ボーカルまでが楽器の一部として
機能していることを肌で実感したものです。
それから筆者は、ビートルズのレコードと共にレッド・ツェッペリンのレコードを収集し始めたのですが、
その初冬にレッド・ツェッペリンに関して気づきました。
(レッド・ツェッペリンとは、音の質感で勝負するロック・バンドだ)、と。
当時、筆者の家にあったオーディオ装置は、小さなポータブル・ステレオと新品のラジカセがあったのみ。
(これでは、レッド・ツェッペリンの音楽を聴くのに不十分だ)、ということを簡単に理解しました。
それで、小学校から中学校に進学する春休みに、筆者は1952(昭和27)年生まれでオーディオ・マニアの従兄宅に行き、
従兄が購読していた「ステレオ・サウンド」を何冊か見たのですが、JBL・4343が表紙で、
JBL・4343について少々記事になっている号を貪り見ました。少年の筆者にとって、JBL・4343は、
先ず最初に雑誌の写真から始まったのです。機能美がこの上なく美しいJBL・4343に筆者は、一目惚れをしました。
(JBL・4343の音を聴いてみたい)、そう思う変声期前の少年に神様は、4343を聴く機会を与えてくれました。
中学1年生の夏の終わりのことでした。筆者は、意を決し、『LED ZEPPELIN Ⅳ』のレコードをたずさえ、
オーディオ店の入り口のドアを開けました。
すると、店員さんが笑顔を見せながら、私の4343の音を聴かせてくれたのです。プリ・アンプがマッキントッシュのC32。
パワー・アンプが同、MC2300。アナログ・プレーヤーはガラード301。
(一体、どんな人が買うんじゃい?)、という、ハイエンド・オーディオ・システムで、先ずは店員さんが、
マイルス・デイヴィスの『Kind of Blue』のレコードをかけました。
私は後に大のジャズ・ファンになることなど想像もせず、『Kind of Blue』を聴きました。
ただ、演奏がアコースティックであるが故に、眼前でマイルスたちがプレイしているかのような錯覚に陥りました。
それから店員さんは、私が持参した『LED ZEPPELIN Ⅳ』のA面をかけてくれました。「Staiway to Heaven」の
ロック・パートは、もう信じられないようなサウンドでした。
そして、筆者はその後、初秋にテクニクスのコンポーネント(30万円)を導入したのですが、
(将来は、必ずJBLを、マッキントッシュを手に入れてみせる)、と心に誓いました。
2・JBL・4343
今さら、4343についてのご説明は不要でしょうし、オーディオ初心者の方でも検索をかければ、
4343に関する詳細は分かるものと思います。
筆者は、2001年に、経済的にも余裕が出来て、オーディオ道を邁進し始めたのですけれども、本当は上記の経験から
アルニコ仕様の4343が欲しかったのですが、訳あって4344になりました。今は自作JBLのスピーカーを使用していますが。
ただ、筆者の4344奮闘経験を踏まえて4343等について、ご説明したいことがあります。
4343や4344のネットワークを見ますと、中高域と低域のつなぎが非常にぞんざいで、いずれにしても
中高域と低域に分割してのマルチ・アンプ駆動(アクティブ・バイ・アンプ駆動)が最初から前提になっているのです。
4343はJBLが純然たるスタジオ・モニター・スピーカーとして開発をしたのですが、4343より前に出された4350は、
最初からマルチ・アンプ駆動(アクティブ・バイ・アンプ駆動)が前提。
すなわち、4343もほぼ同様な発想でつくられており、スタジオ内にパワー・アンプが1台しかない場合、
あるいは、マルチ・アンプ駆動(アクティブ・バイ・アンプ駆動)が面倒だ、という場合を考慮して、
かなりやっつけ仕事的な中高域と低域をつないだネットワークになっています。
従いまして、4343や4344をお使いの方は、マルチ・アンプ駆動(アクティブ・バイ・アンプ駆動)で鳴らして下さい。
筆者は、4344を4ウェイ・マルチ・アンプ駆動にまで発展させました。
今、筆者の友人で、アルニコ仕様の4343を、低域にMC500、中高域にMC275を用いて鳴らしている人がおりますが、
私は、その4343で『Kind of Blue』を聴く度に、上記の少年時代の体験を思い出します。
男が愛するものにはロマンがなくてはなりません。
オーディオには、ロマンがたくさんつまっています。
皆様もロマンを大いに楽しんで下さい。
(文 葛西唯史)
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オーディオ初心者のためのコンポーネント組合せ
今、若年層を中心にしたレコード・ブームが生じております。
それで、(レコードを家で聴きたい)、ということから、オーディオに興味をもつ若者も増えてきています。
そうした若者を中心に、オーディオ歴24年の筆者が、僭越ながらオーディオ・コンポーネントの組合せの入門編を
アドバイスさせていただきます。
1・音の決め手は、スピーカー
21世紀に入ってから、海外製の小型スピーカーの発達ぶりには驚くべきものがあります。
例えば、部屋が8畳くらいであったなら、小型スピーカーでも音の臨場感では大型スピーカーに引けを
取らないものが多数あります。
中でも筆者がお勧めする小型スピーカーは、モニター・オーディオのシルバー2。
メーカー名がモニター・スピーカーですが、モニター・ライクなところが全くなく、極めてミュージカリティに、
音楽を朗々と鳴らすスピーカーです。
周波数帯域は、上が何と、35KHZまで伸びていますので、レコードを鳴らすには打ってつけのスピーカーと
言えるでしょう。
能率は、小型スピーカーの宿命で87dbと低いのですが、下に記すアンプを使えば、このスピーカーは文句なしに
歌いまくります。
2・安くて音の良いプリメイン・アンプ
筆者は、トライオードのTRV―88SEをお勧めします。
本機は、出力管にKT88を4本使用しており、45Wのパワーを得ています。
トランジスター・アンプならば、150W~180Wくらいのものに匹敵します。
S/比は90dbで、十分と言えます。
真空管アンプは、その真空管の歪みが自然に音楽に同化しますので、音楽をより楽しいものにしてくれるのです。
3・音の入り口は大事、SACDプレーヤー
上記のスピーカーとアンプに合うSACDプレーヤーとしては、マランツのSA8005となります。
SA8005は、ニュートラルな音が特徴で、音の入り口ではあまり色づけをしたくないことから本機にします。
また、SA8005は、ネットワーク・オーディオにも対応しています。
4・アナログ・プレーヤー
はい。お待ちかねのアナログ・プレーヤーには、DENONのDP―1300MKⅡにしたいと思います。
DENONは、1970年代からDD(ダイレクト・ドライブ)プレーヤーの傑作を多数、つくり出してきたメーカー。
そうしたことから、信頼性は抜群です。
5・フォノアンプ
アンプのTRV―88SEにはPhono入力がないことから、フォノアンプを用意します。
そこでお勧めの製品は、フェーズメーションのEA200。
DP―1300MKⅡから本機を経由して、ライン・ケーブルでTRV―88SEのライン入力につなげれば、
レコードを大いに楽しむことが可能です。
筆者の従姉の息子が、社会人3年目になり、本格オーディオを買いたい、となり、筆者は上京して、
その息子とともに東京のオーディオ店で、あれやこれやと試してみて、上記5つの組合せとなりました。
私は、オーディオ試聴の際のCDとして、ジェフ・ベックの『Live at Ronnie Scott’s』、アルゲリッチ・ピアノ、
ラヴィノヴィチ指揮の『ショパン/ピアノ協奏曲1番』、グレース・マーヤの『Last Live at Dug』を持参して聴きました。
ジェフ・ベックの『Live at Ronnie Scott’s』の「Cause We’ve Ended as Lovers」において、繊細なジェフのギターが、
空を切りさき、誇張がなく鋭敏に、されど、耳に突き刺さることなく、楽しく聴けました。
バス・ドラム、ベースの臨場感も十分で、全体の音がピラミッド・バランスを形成していました。
アルゲリッチ・ピアノ、ラヴィノヴィチ指揮の『ショパン/ピアノ協奏曲1番』では、アルゲリッチの速いパッセージが
見事に表出され、オーケストラの音の波がとても素晴らしかったことが印象的でした。
グレース・マーヤの『Last Live at Dug』では、マーヤさんのボーカルが余りにも素晴らしく、
マーヤさんの口元までが描写されているようで、大いにうなりました。
気になるお値段は、上記の機器だけで、約690,000円で、スピーカー・スタンド、ケーブル等々込みでの
総額が約800,000円でした。
筆者は最初に、1992年にJBLの4312XPとともに、オーディオ機器、一式を導入したのですが、
その時の支払い総額は約1,100,000円でした。
しかし、筆者が初めて導入したオーディオ機器より、上記のオーディオ機器の方が、はるかに良い音がしました。
筆者は、今の若者をうらやましく思います。
ところで、上記の機器一式をもっと安く買う方法を教えましょう。
それは、中古でそろえることです。
全てが現行機種ですが、中古品として出回っているので、それをゲットするという作戦です。
6・フロアー型のスピーカーがほしい方に向けて~JBL・S3100
次に、フロアー型のスピーカーの方がいい、という方には、JBLのS3100をお勧めします。
15インチ・ウーファーにコンプレッション・ドライバー+ホーンの伝統のJBLで、確か1994年発売だった記憶があります。
15インチ・ウーファーだけあって、バス・ドラム、ベース、オーケストラの低音部の表現、分離感が申しぶんなく、
生きのいい低音を楽しむことが可能です。
また、中高域はコンプレッション・ドライバー+ホーンであることから、音のトランジェント感が素晴らしく、
(これぞ、ジムラン!)、というサウンドを楽しめます。
中古しかありませんが、中古相場は、約300,000円です。
そして、スピーカーをJBL・S3100にしたならば、アンプはマッキントッシュにしたいと思います。
そこで、お勧めは、MA6800。
筆者は昔、MA6800を使用していたからよく分かるのですが、アウトプット・トランスを搭載しているが故に、
本物の「マッキン・サウンド」が聴けます。
1970年代~80年代には、(ジャズを鳴らすには、JBLとマッキン!)、と言われていましたが、
ジャズとの相性は抜群で、その上、ロックもクラシックもOKという万能コンビとして愛用されていたのです。
MA6800は、豪快さと繊細さを兼ね備えた素晴らしいプリメイン・アンプでした。
ガラス・パネルに豪華なイルミネーションが視覚的に良く、所有する喜びを与えてくれます。
中古の相場は、約250,000円のようです。
以上、だいぶ駆け足でオーディオ初心者のためのコンポーネントの組合せを記してきましたが、
オーディオというものには、本当に素晴らしい夢があります。
そんな素晴らしいオーディオをレコードが好きな、ロック、ジャズが好きな若者の多くに趣味にしてほしいと、
筆者は強く願います。
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