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ローリング・ストーンズ、『Beggars Banquet』、『Let It Bleed』

2016/10/11

さて、今回はロックということでローリング・ストーンズについて記させて頂きます。

筆者にとってストーンズは、「ロック・バンド」としてあればレッド・ツェッペリンの次に大好きなバンドです。

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1・『Beggars Banquet』のリリースとローリング・ストーンズの背景

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『Beggars Banquet』は、1968年11月にアメリカで、同12月にイギリスで発売されました。

それより先立つ同年5月に、シングル、「Jumpin’ Jack Flash」を大ヒットさせていました。

ビートルズの稿でも述べた通り、1965年にジョン・メイオールのブルース・ブレイカーズに参加したエリック・クラプトンが1960年製のギブソン・レスポールを100W、マーシャル・アンプにつないで、大音量で、「ギャイーン!」とオーバー・ドライブ・サウンドを出し、時代を変えました。

その「ギャイーン!」がイギリスでリズム&ブルースをロックに変え、アメリカでロカビリー(ロック&ロール)をロックに変えたのです。

ミック・ジャガーとキース・リチャーズにも、その「ギャイーン!」が大きな衝撃を与えたことは想像に難くありません。

ぶっちゃけ書きますが、「Satisfaction」で大ブレイクを果たしたローリング・ストーンズ、その後、シングルをいくつも大ヒットさせていたとは言え、ただのポップ・グループに過ぎませんでした。

そして、クリームの結成、渡英したジミ・ヘンドリックスの登場等々、時代がロックを要求していることをミック・ジャガーは敏感に察知したはずです。

ですが、ストーンズは、ビートルズの『Sgt.Pepper’s Lonely Hearts Club Band』を意識した駄作、『Their Satanic Majesties Request』をリリースしましたが、自分たちの音楽の行き詰まり、ロックの時代への対応に対し、暗中模索の状態にありました。

そうしたストーンズの状況を打開したのが、キース・リチャーズです。

自分が発案したコード・リフを用いたシングル、「Jumpin’ Jack Flash」を大ヒットさせてキース・リチャーズは意気軒昂であったに違いありません。

そのキース・リチャーズは、ブルース純粋主義者。

ローリング・ストーンズの原点を見つめ直す意味において、キース・リチャーズが陣頭に立って、大胆にアコースティック・ブルースを導入した『Beggars Banquet』の制作に入りました。

この『Beggars Banquet』、「Sympathy for the Devil」、「Street Fighting Man」と言った現在までの看板曲ばかりに目が行きがちですが、『Beggars Banquet』の本質は、「Parachute Woman」に代表されるアコースティック・ブルースにあります。

これが、もう偉くカッコイイ。

そして、見逃せないのが、ミック・ジャガーの絶妙なバランス感覚。

ただアコースティック・ブルースをやっても時代に取り残されてしまうのを、普遍性があるものに仕上げてしまうミック・ジャガーの力量。

これが凄い。

ブルース純粋主義者のキース・リチャーズと時代に即応することのできる絶妙なバランス感覚をもったミック・ジャガーが結びつくことで、この『Beggars Banquet』は大成功を収めたのです。

ローリング・ストーンズは、アコースティック・ブルースと言う原点に立ち返ることでバンドを立て直すことに成功しました。

また、この『Beggars Banquet』こそが、「ロック・バンド」、ローリング・ストーンズの本格的な出発点になりました。

名盤中の名盤ですね。

2・『Let It Bleed』のリリースとローリング・ストーンズの背景

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『Beggars Banquet』を大成功作にさせたミック・ジャガーの頭には、ブルースをベースとしたロックのアルバムをつくることの必要性が渦巻いていたはずです。

そこでミック・ジャガーは、再度、キース・リチャーズを突っ走らせ、キースを中心とした楽曲群の組み立て、そこに自分の絶妙なバランス感覚を併せることで、普遍的なロックのアルバムをつくる自信があったに相違ありません。

そして出来上がったのが、『Let It Bleed』。

ストーンズ・ファンの誰もが認める名盤中の名盤。

さらにミック・ジャガーとキース・リチャーズにとって幸運だったのは、ドラッグに耽溺していたブライアン・ジョーンズが脱退したこと。

それにより、ミックとキースはストーンズに「弾けるギタリスト」ミック・テイラーを加入させることが出来たのですから。

クリーム、ヘンドリックス、ジェフ・ベック等々を見ていたミック・ジャガーは、間違いなく「弾けるギタリスト」を欲していたと思います(さらには、レッド・ツェッペリンの登場まで予見していたような気がします)。

話を『Let It Bleed』に戻して、冒頭の「Gimme Shelter」からラストの「You Can’t Always Get What You Want」に至るまで珠玉の名曲ぞろい。

ミック・ジャガーとキース・リチャーズが合体することで、このブルースをベースにした普遍的なロックのアルバムをつくり上げ、ローリング・ストーンズは、見事に本格的なロック・バンドへと変化を遂げました。

最後に面白い話を1つ。

この『Let It Bleed』、著名なオーディオ評論家が、「空気感がよく録られているアルバム」、と言っていましたが、筆者も同意します。

この空気感を録ったのは、本作のエンジニア、グリン・ジョーンズ。

グリン・ジョーンズは『Let It Bleed』の前に、レッド・ツェッペリンのデビュー・アルバムのエンジニアを務めたのですが、その空気感をグリンがジミー・ペイジの録音手法からパクッたのです。

レッド・ツェッペリンの『Ⅰ』では、ジミー・ペイジがエンジニアの仕事もし、空気感を巧く録る方法をグリン・ジョーンズに指示したのです。

その方法をグリンが『Let It Bleed』に移植したものですから、これ以降、ジミー・ペイジとグリン・ジョーンズの仲が悪くなりました。

(文 葛西唯史)
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