60年代前半、イギリス国内のみならず、アメリカをも席巻して「ブリティッシュ・インヴェイジョン」と呼ばれるようになったロック・ミュージックの波が起きました。ビートルズとローリング・ストーンズがその代表格ですが、彼らよりさらにポップな音楽を聴かせたホリーズや、反対にもっとディープな音楽を演奏したプリティ・シングスなどもそこに含まれ、幅の広い音楽が展開されました。
その大きなブームの中で、おそらくもっとも黒く、そしてダークな音楽を演奏したのがアニマルズです。デビュー・アルバムにしてジョン・リー・フッカーやジミー・リードを取り上げるセンスも相当ですが、後々まで高く評価されることになるエリック・バードンのヴォーカルは、まるでディープ・サウスのソウル・ミュージックのような暗く熱い叫びに満ちていました。エリック・バードンの他にも、後に映画音楽などを書く事になるキーボーディストのアラン・プライスや、ジミ・ヘンドリックスを見出したベースのチャス・チャンドラーなどのタレントが揃い、通好みの音楽を奏でるバンドでもありました。
今回は、そんなブラック・ミュージックに深く傾斜したアニマルズの名盤、人気盤を紹介させていただきます。
アニマルズのデビュー・アルバムです。オリジナル曲のほか、ジョン・リー・フッカー、チャック・ベリー、ファッツ・ドミノなどの米ブラック・ミュージックが取り上げられ、選曲にも彼らの美感がにじみ出ているようです。同時代のビート・バンドとの大きな違いは、エリック・バードンというずば抜けた表現力を持ったヴォーカリストの存在と、アラン・プライスの電子オルガンのサウンド。電子オルガンの独特な音色は、当時のゴーゴー・クラブのハウスバンドを思わせるもので、この時代のクラブ・ミュージック特有の質感で、独特の味がありました。
このアルバムは、英Columbia盤と米MGM盤で、ジャケットも選曲も変わります。英Columbia盤はモノラルで、ジャケットは柵の向こうにメンバーがいるデザイン、曲にはUS盤には含まれないジョン・リー・フッカー「Boom Boom」やエリック・バードン「Story of Bo Diddley」などが含まれます。一方の米MGM盤はステレオで、ジャケットはメンバーのスタジオ・スナップ写真、曲にはUKオリジナルに含まれないアニマルズ最大のヒット曲「The House Of The Rising Sun 朝日のあたる家」などが含まれます。「Boom Boom」も「朝日のあたる家」も、初期アニマルズを代表する名演ですので、どちらも入手したくなるのがファン心理ですよね。いずれもオリジナル盤はレア度が高く、日本盤がリリースされなかった事もあり、日本では特に数が少ない状態。高額で取引されています。
英Columbia から英Decca に移籍したアニマルズのサード・アルバムです。このあたりになると演奏の表現力が飛躍的に向上、デビュー時はエリック・バードンのヴォーカル頼りだったバンドが演奏で聴かせるようになってきます。この時期のアニマルズのヒット曲といえば、シングル「Don’t Bring Me Down 炎の恋」と「Inside-Looking Out 孤独の叫び」が有名ですが、後者のリズムもスケールもアウトしていくギター・ソロの迫力は強烈です。ちなみにこの曲は、グランド・ファンク・レイルロードによる名カバーも生み出しています。
初期アニマルズのレコード・コレクションは、なかなか初心者泣かせです。数年のうちにレコード・レーベルを3社渡り歩き、UKオリジナルとUS盤でジャケットや選曲、さらにモノとステレオが変わる状態です。本作も英米でジャケットや選曲が違うのですが、それどころか英米でアルバムタイトルまで変わってしまうので要注意です。また、同年に米MGM より『Animalism』という、最後に「s」がついていないアルバムも発表されていますが、これも内容が変わってくるので注意です。
それぞれの選曲の違いを書いているとブログが一杯になってしまうので詳細は割愛しますが、UKオリジナル(12曲収録)には先にあげたこの時期のヒット曲2曲は収録されていませんが、米MGM盤(これも12曲収録)にはどちらも収録されています。意外に優れているのが1967年にリリースされた日本盤で、ジャケットと選曲は基本的にUKオリジナルに準拠、しかし先の2曲を追加収録した14曲入りとし、アルバムタイトルも選別しやすいように「Inside-Looking Out」としています。ジャズのレコードなどでも時々ある事ですが、50年代から60年代のレコードの場合、無駄なくコレクションするには日本盤が最適である事があります。日本盤を含め、いずれもアニマルズのレコードでは人気があり、高額で取引されています。
アニマルズは1966年より活動拠点をイギリスからアメリカのサンフランシスコに移し、メンバーも一新、バンド名を「エリック・バードン&ジ・アニマルズ」に変更します。60年代後半のシスコといえばサイケ全盛、アニマルズもサイケデリック・ロックへと音楽をシフトしました。
風の音が響く中でシタールやフィドルの音が流れ、詞が朗読される「Winds of Change」など、単なるサウンド・ギミックに終わらない音楽的なサイケデリック・ミュージックがアルバム全体を支配します。その中からローリング・ストーンズ「黒く塗れ」やアニマルズのヒット・ナンバー「サンフランシスコの夜」などが浮かび上がる様は、サイケ名盤の名にふさわしい素晴らしい音楽でした。
サイケ期のアニマルズの音楽は実に独創的で、本作はもちろん『The Twain Shall Meet』(1968)、『Every One of Us』(1968) も創造に満ちた名作です。
60年代初頭に数多く生まれたブリティッシュ・ビート・バンドの中で、長調でも短調でもブルースでもないという、脱西洋音楽あるいは現代音楽的な音楽様式の音楽を構想するところまでたどり着いたロック・バンドがどれだけいるでしょうか。深く暗い詞と音楽の世界は万人受けではないかも知れませんが、コアな音楽ファンには最上のロックに聴こえるのではないでしょうか。
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