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ビートルズ、『Sgt.Pepper’s Lonely Hearts Club Band』、『The Beatles』

2016/11/5

さて、今回はロックということで、ビートルズの『Sgt.Pepper’s Lonely Hearts Club Band』と『The Beatles』に

ついて記します。

 

ある意味で、ビートルズ史上、最大の佳境とも言える稿になります。

 

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1・『Sgt.Pepper’s Lonely Hearts Club Band』の登場

 

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『Sgt.Pepper’s Lonely Hearts Club Band』はロック史上初のトータル・コンセプト・アルバム、ビートルズの最高傑作

と言われています。

 

しかし、前者については1980年代の後半から世界中で懐疑的な目を向けられており、後者はヒッピー・ムーブメント、

サイケデリック・ムーブメント等々の時代背景を象徴させる為に勝手に祭り上げられたというビートルズ識者からの意見も

多数あります。

 

では、その真偽はどうなのでしょうか?

 

前者について、筆者はよく判らないのです。

 

アルバムのコンセプトについては、ポールが1966年の時点で思いついたものとされています。

 

ですが、主にジョンが書いた曲の歌詞をよく読み取っていくと、ジョンはかなり好き放題に曲をつくっていることが分かり、

ポールの意図とは異なっている様に思われます。

 

後者については、ビートルズのアルバムで何が最高傑作なのかは、人それぞれだと思いますので、自分が、(最高傑作!)、

と思ったアルバムがその人にとっての最高傑作で良いと思います。

 

ただ、この『Sgt.Pepper’s Lonely Hearts Club Band』は、音楽史上、とんでもない大きな意義を担っているアルバムなのです。

 

それは、ライブ活動を停止したビートルズとジョージ・マーティンが、1967年の時点でのエレクトリック音楽要素の全てを

叩き込み、また、1967年の時点でのレコーディング技術の全てを投じて制作されたアルバムであるということ。

 

以下は、音楽史上、最も大切なことであるのにも係わらず、私が目にしたことのない大事な事柄です。

 

1958年からステレオ方式のレコーディング、ステレオ方式のアルバムが出ましたが、ロックを含むポピュラー音楽の

エンジニアは当然、ジャズやクラシックのエンジニアにとっても「ステレオ方式」という概念がまだまだ理解されておらず、

ステレオ方式は暗中模索の状態にありました。

 

ジャズやクラシックのエンジニアたちは、当初は、モニター・スピーカーを1台でやっていたのです。

それで、本来、モノラル録音のものを強引にステレオにしていた訳です。

疑似ステレオ、というのが正しいのでしょう。

 

その後、エンジニアたちはモニター・スピーカーを2台使用するようになり、何とかステレオ方式のレコーディングを

行ったものの、まだまだ暗中模索。

 

ところがジョージ・マーティンが、この『Sgt.Pepper’s Lonely Hearts Club Band』において、音の立体感を構築し、

世界中のエンジニアたちを驚かせました。

 

そうです。「ステレオ方式」で最も大切なことは、音の立体感を構築することにある訳ですが、それを最初に成した

レコードが『Sgt.Pepper’s Lonely Hearts Club Band』だったのです。

 

この『Sgt.Pepper’s Lonely Hearts Club Band』の登場後、あらゆる音楽のエンジニアたちは「ステレオ方式」を完全に理解し、

その後のレコーディング技術の発展に大きく寄与しました。

 

ただ、カラヤンのお抱えエンジニアだったギュンター・ヘルマンスだけは、60年代に入ってから、かなり立体的な音を構築して

いましたが。

ジョージ・マーティンも故人ゆえ、確認のしようがないのですが、多分、ジョージ・マーティンはカラヤンのレコードから発想を

得ていたのだと思われます。

 

あと、この『Sgt.Pepper’s Lonely Hearts Club Band』で語っておかねばならないことは、ビートルズの4人がまとまってつくり上げた

最後の作品であるということ。

 

筆者は、ビートルズの全楽曲のなかで、このアルバムの末尾を飾る「A Day in the Life」が最も好きです。

ジョンとポールの個性が見事に融合した楽曲です。

 

2・『The Beatles』の登場

 

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ビートルズの4人を結束させていた要であるブライアン・エプスタインが死去し、その後でリリースされたこのアルバムは、

通称『ホワイト・アルバム』として有名で、また、「ビートルズの終わりの始まり」とも言われる作品です。

 

ですが、ロック通と呼ばれる人のなかで、この『The Beatles』を最高傑作に推す人も多いのも事実。

 

筆者は、このアルバムを初めて聴いた中学1年生の時の衝撃をリアルに覚えています。

 

ビートルズの4人が分裂状態に陥ったからこそ、このアルバムでは却って4人の個性が露わになり、また、アルバム全体に

満ち溢れた緊張感に強い衝撃を覚えました。

 

そう。この『The Beatles』では、ジョンやジョージが特に好き勝手にやり、ポールが何とかジョンやジョージを押さえようと

必死になっている姿が垣間見え、ものすごい緊張感に満ち溢れています。

 

ビートルズの全アルバムのなかで、これほど緊張感に満ちたものはないでしょう。

 

この『The Beatles』を評する言葉として、筆者は、「ビートルズの全アルバムのなかで最も緊張感に満ち溢れ、ビートルズの4人の

個性が最も際立った作品」というものを『The Beatles』に捧げたいと思います。

 

名盤ですね。

(文 葛西唯史)
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